正倉院

琵琶は、東アジアの有棹弦楽器の一つ。弓を使わず、弦をはじいて音を出す撥弦楽器。古代において四弦系(曲頚琵琶)と五弦系(直頚琵琶)があったが、五弦系は伝承が廃絶し使われなくなった。四弦系が、西アジアのウード、ヨーロッパのリュートと共通の起源を持つのに対し、五弦系はインド起源とされ、ヘッドは曲がらず真っすぐに伸びている。正倉院に唯一の現物である螺鈿紫檀五絃琵琶(上)が保存されている。また、クチャ郊外のキジル石窟の第8号窟壁画(右)のなかでは、伎楽飛天が赤色の五弦琵琶を奏でている。